スキルを磨く

2020/07/29

前回の記事、習慣化コンサルタントに学ぶ、理想の人生の作り方〜第1回 なぜ、習慣化が人生に必要か?では、なぜ習慣化が大事なのか、そのメカニズムをお話ししました。
続く本記事では、どうすれば続けられるようになるか、そのコツをご紹介します。

 

なぜ三日坊主になるのか? ~習慣引力の法則~

英語の学習、家計簿、早寝早起き、片づけ、禁煙、ダイエット、運動、資格の勉強、貯金・節約、日記、読書……。

「今度こそは!」と決意した情熱とは裏腹に、何度も挫折を繰り返します。なぜ、私たちは1つのことを続けることができないのでしょうか?

結論から言うと、人間には「新しい変化に抵抗し、いつもどおりを維持しよう」とする本能があるからです。人間にとって変化は脅威で、いつもどおりが安全で安心なのです。

私はこの「いつもどおりを維持し、変化に抵抗しようとする力」を習慣引力と呼んでいます。習慣化とは「自分が続けたいと思っていることを、意志や根性に頼らず、毎日のハミガキのように楽々続く状態に導くこと」です。つまり、続けたいことがいつもどおりになってしまえば、今度はいい意味で続いている状態を維持してくれます。これも習慣引力の法則です。

ダイエットでリバウンドするのは、習慣化の手前だからです。習慣化された状態に持っていければ、あとはダイエットも片づけも全てリバウンドしにくくなります。

それでは、どれくらい続ければ習慣化するのでしょうか?

 

習慣は3つに分類できる

習慣にはさまざまな種類があります。それぞれ習慣化に必要な期間が異なりますので、3つに分類してご紹介します。

1つ目は行動習慣。片づけ、英語の学習、日記、節約などの習慣です。習慣化への期間は1か月です。

2つ目は身体習慣。ダイエット、運動、早起き、コミュニケーション、禁煙、筋トレなど身体のリズムに関わる習慣です。習慣化への期間は3か月です。

3つ目は思考習慣。ポジティブ思考、発想力、論理的思考力などの考え方の習慣です。習慣化への期間は6か月です。あなたが続けたい習慣に必要な期間をきちんと理解して続けていくことが重要です。

……長いと感じますか? それとも短いですか? きっと長いと感じられたかたの方が多いでしょう。この長い期間をクリアするための、「3つの原則」「7つの極意」を紹介します。

 

三日坊主を防ぐ習慣化の3原則

多くの人の習慣化のサポートをしてきた経験から言えば、続かない人の傾向を見ていると、習慣化のスタート前の計画と姿勢に原因があることが多いのです。三日坊主に陥らないためにも次の3つの原則を守っていきましょう。

 

原則1.1度に1つだけ取り組む

1つ目の挫折する原因は、一度にあれもこれも習慣化しようと欲張りすぎるケースです。やる気に任せて片づけとダイエットと英語の勉強を一気に始めてしまってはうまくいきません。1度に1つの習慣に取り組んでください。

 

原則2.複雑なルールにしない

2つ目の挫折する原因は、1つの習慣に複雑な行動ルールを決めているケースです。英語の勉強ならば、通勤電車で英単語帳、会社についたら英字新聞、昼食時はリスニングの勉強、帰りの電車で英語日記……。このように1つに習慣を絞ったとしても、行動ルールが複雑だと続きません。シンプルで効果的な行動ルールにすることをお勧めします。

 

原則3.結果より行動を重視する

3つ目の挫折する原因は、結果にこだわりすぎて行動リズムを崩してしまうケースです。ダイエットであれば、なかなか減らない体重にイライラして無理なダイエットに走ってしまう。結果、急激なリバウンドがその後に待ち受けています。焦らなくても習慣化できれば結果は複利で返ってきます。

 

習慣化・7つの極意

私のコンサルティングと自分の経験から導き出した、7つの「王道」とも言える手法を紹介したいと思います。本質や原則はシンプルなもの。あとは、実践できるかどうかです。ご自身の習慣化したいことに当てはめてみてください。

 

極意1.ベビーステップ(小さな一歩)で始める

「動く前が一番やりたくない、動き始めたらやる気は後からついてくる」こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

ベビーステップで始めるという極意は、7つの中でも圧倒的に重要なコツです。習慣化が成功するか否かは、言い訳もしようがないほど、やる気がなくても絶対にできる一歩を設定して、とにかく行動をゼロにしないことです。コンスタントにやり続けると抵抗感がなくなっていきます。また残業や疲労しているときでも実行し続けるためにはハードルを徹底的に下げた行動設定ができていることです。

たとえば、下記のような行動です。

  • 英語の勉強をする・・・・通勤時間に15分だけpodcastの英語番組を聞く
  • ストレッチする ・・・・会社のコピーを取るときに、ストレッチをする
  • 早起きをする  ・・・・朝、いつもより15分だけ早く起きる
  • ブログを書く  ・・・・気に入った記事をリブログする

 

極意2.自分をうまく乗せる方法を模索する

「好きなことは続く、嫌いなことは続かない」この原則で言うならば、そもそも好きなこと、自分にあったやり方を模索することはその後の行動を継続する上でとても重要です。運動すること1つでも、ジョギングがいいか、ウォーキングがいいか、ストレッチがいいか、朝がいいか、夜がいいか、友達と一緒にやるのがいいのか、など「自分を乗せる方法」を探ることをお勧めします。
微妙な違いで自分を乗せられなければ、その行動を継続するのはとても困難になります。

 

極意3.記録して現実を確認する

万歩計があれば、4300歩の日と7000歩の日の違いを実感することができます。数字で記録があると、私たちの脳は明確に現状を認識し、心に改善スイッチが入ります。毎日体重計に乗るという習慣をつけていれば、嫌な現実と向き合うことにもなりますが、現実から目をそらすよりも、制限しなければいけないという意識は圧倒的に高まります。

私たちは、心から注意を向けたものだけを手に入れることができます。習慣化で一番難しいのは「決意した日」の意識を続けることです。モチベーションはアップダウンするものですが、記録を取れば少なくとも習慣を毎日確認すること、意識することができます。それができていなくても、です。

 

極意4.行動を条件づけする

行動の条件づけで一番分かりやすい有名な手法がif-thenプランニングです。

これはColumbia Business SchoolのHeidi Grant教授が提唱している手法で、簡単にいうと「もし○○したら△△する」と決めておくだけ。行動を日常生活に条件づけするためには、発動タイミングを決めてしまうのがスムーズです。

習慣化の例でいうと、たとえばこんな具合です。

  • 「会社で大量のコピーを取っている最中は、ストレッチして待つ」
  • 「移動時間は、音声学習をする」
  • 「朝起きたら、カーテンを開けて日の光を浴びる」
  • 「仕事を始めるときは、まず15分メールを見ずに考える仕事に集中する」
  • 「家に帰ったら浴室で服を脱いで風呂に入る(そこからゆっくりする)」
  • 「22時になったら、スマホの電源を落とす」
  • 「晩酌をするときは、ビール1本→ノンアルコールビールを1本→ビール1本のルールで飲む」

脳が行動を認識しやすいのはタイミングを決めたとき、条件づけが明確なときです。この公式を使って創造的な行動条件づけをしてみてください。

 

極意5.他人からのフィードバックを糧にする

私の周囲の「習慣化コミュニティ」を見ていると、仲間からの反応も、継続のパワーの源泉になっていることがわかります。

SNSに習慣化に関する投稿をして、いいねがついたり、コメントが返ってくると盛り上がります(が、反応がないとトーンダウンします)。自分の習慣化に応用するならば、Facebookへの投稿、LINEグループでの仲間をつくったりすると一気にフィードバックを得る仕組みが出来上がります。

 

極意6.未来に強いゴールをつくる(発表の場、審査会、試験など)

勉強にしても運動にしても、3ヶ月後、半年後といった明確なゴールがあるほど、日々の行動への意欲は維持できます。

たとえば、日々ジョギングをしている人ほど、大会出場などのイベントを定期的に入れてやる気を高めているものです。「試験があるから勉強する」というのは明確な結果を迫られる場があればこそ日々の行動も積み上げることができます(学期末試験の直前だけ勉強するというようなモチベーションでは意味がありませんが)。

 

極意7.他人と約束して破れないこと

例えば「オレは今日から毎日1時間ランニングする!」と周囲に宣言する。これは、性格タイプによって差があるものの、効果は抜群です。

ただし自分の前向きな習慣化行動でなければ、単に辛いだけなので使い方には十分注意が必要です。自分との約束と他人との約束では後者の方がはるかに守りやすくなります。個人によって好き嫌いが分かれるので、気持ちが乗るか乗らないかで判断する必要がありますが、もしあなたが乗るタイプならば、追い込む宣言は爆発力が凄まじいものです。

さて、以上7つの極意を紹介してきました。
どれも王道の手法ですが、知っているかどうかではなく、実践できるかどうかです。ご自身の習慣化したいことに当てはめて、ぜひ「ベビーステップ」を始めてみてください。

次回は、今のそのモチベーションを、どう継続させるかという難問について、さらに考えてみます。

シリーズ:習慣化コンサルタントに学ぶ、理想の人生の作り方
第1回 なぜ、習慣化が人生に必要か?
第2回 続ける習慣、7つの極意(本記事)
第3回 自分をうまく乗せる・続けるモチベーション12のスイッチ

 

※本記事の内容は筆者個人の知識と経験に基づくものであり、運営元の意見を代表するものではありません。

 

新規CTA
タグ一覧 新時代を生きる
記事一覧へ
古川武士

習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー。約5万人のビジネスパーソンの育成と10,000人以上の個人コンサルティングの経験から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。著書は現在21冊、95万部を超え、中国・韓国・台湾・ベトナムなど海外でも広く翻訳され読まれている。

関連記事