未来を考える

2019/02/26

大学で学んだ専門分野を生かそうとする人が過半数を占める理系学生の就職。その中でも研究職や開発職が代表的ですが、もちろん理系ができる仕事はそれだけではありません。さらに理系と一口に言っても、人によって専門分野が全く違いますし、それぞれで進むべき業界や企業などの選択肢も違ってきます。また、専門分野以外での就職をする人も少なくありません。実際に、さまざまな業界・職種で理系出身者が活躍できるフィールドは数多くあります。

理系の仕事にはどんなものがあるのか、理系学生の方が学んできた事を活かして活躍できる職種をまとめました。

 

研究職

研究職とは実験・検証・評価などを通じて得られた技術・ノウハウを活かして世の中にない新たな製品を生み出す仕事です。定めたテーマに対して、充分に情報収集・調査をして、仮説を立て、その有効性を検討・立証した上で製品化を目指します。研究は大きく分けると「基礎研究」と「応用研究」があり、「基礎研究」は、5〜10年先の実用化を見据えた先進的な技術開発に取り組むことで、新たなビジネスの種を生み出すことが目的となります。企業によっては大学や公的機関などと連携し、産学あるいは産学官共同でプロジェクトを進めているケースも少なくありません。一方、「応用研究」は基礎研究成果の活用や既存製品の品質・性能の向上を目指すための研究が中心となり、具体的な製品・サービスを世の中に送り出すことがミッションとなります。

 

設計(機械設計・回路設計)職

設計とは、自動車、家電、携帯電話、工作機械、IT機器など、社会にあるさまざまな機械製品を実際にカタチにしていく仕事です。機械製品はメカニクス(機械・機構)とエレクトロニクス(電子制御)に大別され、それぞれに設計職があります。量産品の製品の大きな流れは、大まかに言うと1.製品企画→2.設計(開発)→3.試作→4.テスト→5.生産技術→5.物流→6.販売と分類され、その中で、設計部門は1~4までの工程の中で製品企画との調製、検討を経てCADを使った設計業務を指します。電気機械、システムとの調製をとりながらの設計、実際に試作品を作成して性能、安全性等の確認する作業。そして量産前には生産技術との打ち合わせや調製まであり、事務的な仕事も少なくありません。経験を積むほどCADを使った設計よりも、打ち合わせや他の専門分野との調整が多くなってくるため、チームで成し遂げる一体感、達成感を味わえ、モノ作りの醍醐味が味わえる職種です。

 

生産技術職・品質管理職

生産技術職とは、モノづくりを進めるうえで、設計工程(計画)と、実際に「モノ」を作り出す工程(生産)を連携させ、製品を効率的に生産するための工程を考え具現化していく仕事です。研究開発、設計、および工場の製造部門のパイプ役として、業務の効率化・人員配置まで携わる幅広い工程に携わっていきます。​また品質管理では、不良品がないか、トラブルを未然に防ぐために施策が守られているかなど、細かいことも見逃がさずに管理する重大な業務です。​

このためこれらの職種では、モノ作りのプロセス全体を見渡せる俯瞰的に物事を捉える力​、多くの人と携わりながら仕事を進められる調整力、​「もっとこうしたらより良くなる」というような​課題発見力も必要とされます。

 

技術営業・フィールドエンジニア

理系の技術や知識に基づいて、顧客(納入先・法人)に対して製品・技術に対するヒアリング・コンサルティングを行い、ニーズやトレンドを収集し、素材・原料や機械・設備を高い専門知識をもとに提案営業やアフターフォローしていく仕事です。お客様の製品に関する最新の情報をキャッチし、より良い開発のために提案をすることが必要で、営業でありながら製品の企画に携われるのが醍醐味です。また、専門性が必要なことと開発側の意図を理解する必要があることから、理系学生の採用を行っている企業が多いのも特徴です。取引先とのやり取りのみではなく、お客様の要望に応えられるような製品の開発ができないか、自社の研究開発部や企画部とやりとりを行うことも多い職種です。また、技術部門エンジニアと協力し新製品の提案や新規開発計画に関するリサーチに携わることもあります。このように多くの人と接し顧客意図を汲み取るコミュニケーション能力や課題解決力、技術知識、対人能力、ビジネス感覚と幅広いスキルが必要とされます。

 

システムエンジニア・プログラマー

ソフトウェアやアプリケーション、システムなどの、設計・開発・テストなど、システムを作る上で土台となる設計部分に関わります。依頼主と「システムを通じて何を実現するのか」という要件定義を打ち合わせ、そのためにはどんなシステムにすべきかという基本設計、どんな機能を有するプログラムにするかという詳細設計を行います。さらに実際のプログラムを作成するプログラミング、想定通りに稼働するかどうかのテストを繰り返すなど、作業工程は幅広く、企業やプロジェクトによって携わる範囲も様々です。お客様の要望を形にするためのヒアリング能力や、進捗状況を伝えるプレゼン能力や、プログラマーが設計しやすい設計書を作成する文章構成能力など、幅広い能力が求められます。また、システムはどのような業界でも必ず必要なものなので、あらゆる業界の動向や専門知識を持つ必要もあります。

 

施工管理・設備工事

建設工事の現場監督として建物の電気設備や空調設備、セキュリティシステムなどの設備の取り付け工事を管理・監督するなど工事全体の管理をする仕事です。建築計画に基づいて、設計図が行われ、適正な技術と部材で、必要な技術や部材の開発が完了した現場で工事を進め、経済的かつ安全に工事が行われるようにする責任があります。工程管理、品質管理、原価管理、安全管理など管理することは数多くあり、いかに納期内にプロジェクトを進めるか、利益を生み出せるように無駄を省けるかなど考えることがミッションとなります。規模の大きい建設物でも自分の裁量が大きいのでやりがいを感じられ自分にしか出来ないと言われるような仕事をするチャンスが多いこと、またチームで成し遂げる一体感、達成感を味わえるのも特徴です。

 

MR(医薬情報担当者)

医薬品を安全かつ効果的に使って治療ができるように、様々な情報提供を行う仕事です。製薬会社や医療機器メーカーなどを代表して病院や医院を訪問し、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行い、自社の医薬品・医療機器の効能・特質・投与や使用法に関する情報を、ドクターや医療スタッフに伝えます。取り扱っている医薬品は、日々新しいものが開発・販売され、MRになったからには常に薬に関する勉強が必要となり、知識を磨くために奮闘することになります。医療者に対してより良い形で薬の提案をするためには、病気やケガに関する知識も欠かせません。こうした知識の習得が大変である一方で、探究心や向上心を持って仕事に向き合いたいという人にとっては、大きなやりがいを感じることができる職業だと言えます。

漠然と仕事をするのではなくて、特定の分野のスペシャリストとして自己研鑽に励みたいという思いがある人にとっては、生涯をかけて向き合うことができる仕事になるでしょう。

 

専門分野以外にもたくさんのフィールドがある

これまで様々な職種を見てきたわけですが、いかがでしたでしょうか。自分自身の専攻の延長線上の職種もあれば、専攻以外の職種でも魅力を感じたものもあるかもしれません。

そう、理系学生の強みは、専門知識だけではありません。研究などを通して身につけた「論理的思考力」「数理能力」「データ分析・解析力」などの実践的な基礎的学力も強みとなります。実はこの強みを生かせば、専門分野外でも活躍できる業界や職種が数多くあります。実際、企業にとっても専門分野外の研究をしてきた学生を採用する事はメリットが多くあります。他分野の視点を取り入れる事で、新しい技術が開発されていくからです。例えば、応用物理学で学ぶ「量子論」「量子力学」は、物理学の専門分野に進まない限り活用できない学問のように思われます。しかし、ナノサイエンスやナノテクノロジーは医薬品や化粧品の新商品開発にも広く活用されています。物理学の基礎的な力を活用すれば、医薬品や化粧品メーカーでの商品開発といった進路選択があります。研究で培った専門知識を技術職や研究職で直接生かすのではなく、別の形で活用することで、職種の幅が広がるケースもあるのです。

 

最後に

理系の知識やこれまでの研究の経験を生かせる場所は、研究職や開発職だけではありません。研究分野だけに囚われるのではなく、自分の長所や短所、適性なども考慮した上で、志望企業を選定することが重要です。大切なのは、固定概念を持たずに就職活動に臨むことです。

興味のある業界、能力を活かせる業界。

専門分野かどうかに関わらず、まずはしっかりと自己分析や企業研究を行い、自分が本当に就職してよかったと思える企業に出会えるよう就職活動を進めてください。

 

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SCIENCE SHIFT編集部

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